四国四県に点在する、八十八ヵ所の弘法大師(空海)ゆかりのお寺を巡礼することを「お遍路」といいます。追善供養や
予修供養、救いや癒しなどを求めて、年間数十万人を超えるお遍路さんが、それぞれの思いと共に、約1,200kmの道程を巡っています。
「温泉山 瑠璃光院 安楽寺」は、四国八十八ヶ所の第六番札所であり、千二百年以上の歴史を誇る古刹です。
この地でお焚き上げ(還帰供養)を行うことで、 病魔から人々を救う薬師如来さまの功徳をいただけます。
平安の時代、四国を巡錫中の弘法大師様が、
この地に温泉が湧き出ていることを発見されました。
その温泉は万病を治癒する効果があるとされ、弘法大師様は病魔から
人々を救う「薬師如来様」と縁深い土地であるとおっしゃられ、
お堂を築き薬師如来様を刻んで安置されました。
安楽寺は、弘法大師様が温泉湯治のご利益を伝えた地であり、
八十八ヶ所の中で唯一の「駅路寺」として、
今もお遍路さんや旅人の疲れを癒しています
本堂には御本尊である「薬師如来様」が安置されています。
これは温泉を発見した弘法大師様が、この地は病魔から人々を救う
薬師如来様との縁が深いとおっしゃられたことによります。
現在の本尊薬師如来様坐像は、安楽寺先代の住職のすすめにより
難病平癒祈願のため四国遍路を続けていた水谷しづさん夫婦が、
遍路途中に病気平癒をした報恩として昭和37年に奉納したものです。
本堂では毎日午後7時に勤行が行われ、宿坊にご宿泊の方は無料で
ご自由にご参加いただけます。
(参加希望の場合はあらかじめお問合せください)
内部には京都大仏師・松本明慶師作の五智如来様がまつられており、煌びやかな極彩色の仏画や彫刻で浄土を表現しています。
また、塔の周りを一周することで四国八十八ヶ所のお砂踏みをすることができます。
堂内には巨大な「両界曼荼羅」、引法大使様の数々な筆法の書が刻まれた「大師之壁」、一丈(約3メートル)の阿弥陀如来様像などがございます。
堂内には京都大仏師・松本明慶作の弘法大師様像、不動明王様像、愛染明王様像が安置されています。三尊ともすべて檜造りで、特に愛染明王様像は京都市長賞を受賞した秀作です。
大師堂には、弘法大師空海さまが42才
(男性の大厄)の時に猟師の弓矢から
大師を守ったと伝わる、大師お手植えの「厄除けのさかまつ」があります。
多宝塔のそばに日本庭園があり、鯉が泳ぐ池とそこにかかる小さな橋、手入れが行き届いた植栽が美しく心休まる風景です。
茅葺き屋根の方丈は、国の登録有形文化財。約250年前に蜂須賀公より寄進され、
歴史ある堂々とした 風格を感じる木造建築です。
この松にまつわるお大師様のお話を紹介します。
お大師様の身代わりとなった松をさかさまに植えたところ、見事に芽吹き立派な松となりました。
そこから、安楽寺は厄除けの寺として
現在に至っています。